稲生物怪録とは

 江戸時代の後期(1749 寛延2年)に三次で起こったとされる妖怪物語。夏の夜、7月に30日間にわたって妖怪の魔王である山本太郎左衛門(さんもとたろうざえもん)が稲生平太郎(当時16歳、のち武太夫と改名)のもとへ、毎夜様々な妖怪に変化して肝試しに現れるが、平太郎の肝の太さに圧倒されて妖怪自身が実の姿をあらわし、最後には退散してしまうというストーリー。
 物語自体は非常に明るく展開し、いわゆる一般的な妖怪の怖さ、恐ろしさを前面に出したものとは質を異にしている。
 この妖怪物語の研究には従来から著名な国文学者。民俗学者や妖怪研究者そして地元の郷土史研究家により様々な角度から研究されてきた経緯がある。


物語の展開

◆稲生平太郎(1735〜1803)が16歳の時、相撲取の三井権八(当時30余歳 大関格)と肝試しをする。
◆くじ引きで平太郎が比熊山に登り、しるしをつけて下山する。
◆三井権八と百物語をするが、すぐには妖怪は現れない
◆7月1日〜30日の30日間、妖怪の魔王が毎夜変化して平太郎を襲うが、平太郎は妖怪の実相を見極めるため最後まで退却しない。
◆最後の夜、平太郎の肝の太さに降参し、妖怪頭はその本性を現し、友情の証に魔王を呼び出す木槌を平太郎に贈り、前後左右に妖怪を従え、手輿に乗って雲中さして消え去っていった。

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